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2023-02-02

サーマルブルーミングの大気伝播シミュレーションは可能でしょうか?

VirtualLab Fusion Basicを使用して、高出力のファイバーレーザー光源を使用した場合のサーマルブルーミングの大気伝播シミュレーションは可能でしょうか。大気中にどのような媒質があるか設定出来れば、サーマルブルーミングによりどのような影響が出るかシミュレーションをすることは可能でしょうか。

レーザーによる熱の影響で生じる大気の屈折率変調を決める物理法則が与えられれば、ユーザー定義プログラムと組み合わせることにより、VirtualLab Fusion Basicでサーマルブルーミングのシミュレーションは可能と考えられます。大気の3次元屈折率分布をProgrammable Medium機能でモデリングし、VirtualLab Fusion Basicに標準で搭載されているBeam Propagation Method(BPM)で、そこを通過する電磁場伝播を計算することが可能と考えられます。公開されているサーマルブルーミングのシミュレーション事例はございませんが、物理的には同様な現象と考えられるレーザー共振器内部の活性媒質で生じる熱レンズ効果の事例がございます。もしくはもっと簡潔に、大気の屈折率変調を2次元位相マスクとしてモデリングし、そこを通過して位相変調を受けた電磁場をフレネル回折積分などによって伝播計算し、Far Fieldにおける光強度分布を計算することも可能です。