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2023-03-17

マイクロレンズアレイの高度なシミュレーション

マイクロレンズアレイ(MLA)は、デジタルプロジェクター、光ディフューザー、および3Dイメージングのような様々な光学アプリケーションにおいてますます注目を集めています。VirtualLab Fusionでは、いわゆるマルチチャネルコンセプトにより高度な電磁場追跡アルゴリズムを適用し、このようなアレイ素子を解析できます。この事例では、Microlens Array Componentの設定と使用方法を紹介します。

マイクロレンズアレイの構造設定

Microlens Array Componentは、それぞれが滑らかな表面形状を含む周期的な長方形のセルで構成される要素をモデル化するように設計されています。より多くのオプションが計画されています。

どのような方法で電磁場はMLAを伝播しますか?

面を通過する伝播ソルバーとして、Local Plane Interface Approximation(LPIA)が使用されます(Microlens array Componentの編集ダイアログ内のSolverページを参照してください)。

サブチャネル分解

  • このMLAコンポーネントの特徴は、シミュレーションで一度に複数のマイクロレンズを通して全電磁場を伝播させるか(a)、電磁場を事前に分解して各マイクロレンズを個別に評価し、これらのいわゆるサブチャネルのそれぞれの出力電磁場を後続の光学系でさらに処理し、すべての電磁場を適切にまとめるか(b)をユーザーが選択できることです。
  • サブチャネルシミュレーションの方が正確ですが、より時間がかかる場合があります。どちらがより適しているかは、様々な要因に依存します。例えば、マイクロレンズの数や面変調の強さ、レンズ後続の電磁場(近視野、焦点、遠視野)が評価されるところなどです。したがって、両方のオプションをテストするのが最善です。
  • 設定については、Channel Configurationページの「Sub-Channels: X-Domain」タブを参照してください。Sub-Channels Concept の詳細

サブチャネル評価

  • VirtualLab Fusionでは、各マイクロレンズの結果を個別に評価することもできます。
  • "Channels Mode Management"タブでは、チャネルモードをインデックスで選択できます。

近視野評価のためのディテクタの位置決め

近視野の評価には、ディテクタの適切な距離を設定する必要があります。ここでは、70 μmを選択しました。

Region Boundary Management(境界領域の管理)

  • サブチャネルオプションを使用することにより、計算上重要な各マイクロレンズのエッジを、より注意深く取り扱うことができるようになります。
  • このようなサブチャネル領域には、それぞれソフトエッジを適用する必要があります。VirtualLab Fusionでは、これらのソフトエッジをさまざまな方法で指定できます。

→標準的なシミュレーションでは、サブチャネル領域にshared soft bondary設定を使用することをお勧めします。
[その他のオプションは、例えば特別な表示オプションとして興味深いかもしれませんが、より現実的でない結果につながります。]

 

デモ 事例の構築

光線追跡の結果 : 概略

光線追跡の結果 : 遠視野

電磁場追跡の結果 : 近視野のエネルギー密度

サブチャネル不使用の場合、マイクロレンズ接合部分のサンプリングが重要になるため、計算上のアーティファクトが発生し、近視野の評価に強く影響することがあります。
→サブチャネル使用の場合、結果はより正確です。

外側のマイクロレンズからの近視野像は、いくぶん切断されているように見えます。これは、レンズが十分に照明されていないためです。

電磁場追跡の結果 : 遠視野のエネルギー密度

サブチャネル 不使用のシミュレーションで現れる計算上のアーティファクトは、遠視野にはあまり影響を与えません。従って、サブチャネル不使用の時間的な利点は、議論の余地があるかもしれません:

サブチャネル使用のシミュレーション時間:~70s
サブチャネル不使用のシミュレーション時間:~25s(Oversampling Factor Gridless Data = 10)

文書情報

タイトル マイクロレンズアレイの高度なシミュレーション
文書コード MLA.0001
バージョン 2.1
エディション VirtualLab Fusion Advanced
ソフトウェアバージョン 2021.1(Build 1.180)
カテゴリー Feature Use Case
参考資料 Investigation of Propagated Light behind Microlens-Array