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2023-03-08

所望の視野角にわたるライトガイド結合のためのバイナリ回折格子の最適化

結合格子は、一般的に所望の視野角(FOV)内の光をライトガイド構造へ照射するために使用されます。VirtualLab Fusionは、結合格子などの性能を調べるために用いることができます。全ての所望の角度にわたり均一な結合効率を得ることは困難な作業です。Ansys optiSLangは、 計算カーネルとしてVirtualLab Fusionの厳密な回折格子解析ツールを用いることで、このような最適化作業を効率的に実行する方法を提供します。

最適化の課題

平面なライトガイドに一連の平面波を結合させるためのバイナリ回折格子構造をどのように設計するのでしょうか?

一連の平面波

■視野角(-15..15,-10..10)°
−波長532nm
−x軸直線偏光

最適化のワークフロー

  • 下記最適化のワークフローを適用して、効率的なライトガイド結合のためのバイナリ回折格子を設計します。
    1.入力を定義する
    2.シミュレーションを行う
    3.出力を計算する
    4.目的関数を確認する
    5.最適化を行う
  • 最適化の戦略によって、最適化アルゴリズムで新しい入力パラメータが定義されます。
  • 原則として目標が達成されるまで、ループで繰り返します。

メリット関数のシミュレーション結果と設定

  • スリット幅cと周期pによるフィルファクターc/pの変化
    ➢0.1%~99.9%
  • 変調度hの変化
    ➢50nm~1500nm

周期に沿った入射角の大まかなサンプル評価は、最適化のために充分なものです。

optiSLangの最適化結果

  • 最適化の結果は、メリット関数の関数としてプロットされます。
    –平均回折効率
    –コントラスト均一性
  • パレートフロントは、2つのメリット関数間の最適な折衷案を示しています。

最適化結果の高度な評価

  • パレートフロントでの最適化結果をParallel Coordinates Plotで可視化し、入力パラメータ(応答)から出力パラメータへの影響を詳細に調べます。
  • 加えて、クラスター分析では、例えば相対的なスリット幅などの特定のパラメータを一定の数のクラスターに分解し、入力パラメータと出力パラメータの相関関係をより理解することができます。
  • その結果、製造可能な回折格子のパラメータを含めて、優先される低均一性コントラスト と許容可能な平均回折効率の最良の折衷案である設計値が選択されます。

最適化結果の結合効率の解析

  • 最後に、VirtualLab Fusionを用いて結合効率に関する最適化結果を解析します。
  • その結果、均一性コントラストは著しく減少しましたが、平均回折効率が犠牲になりました。

VirtualLab Fusionのインターフェース

  • VirtualLab Fusionは、例えば、ライトガイドに一連の平面波を結合する複雑な光学系を解析するためのモデリングツールの、柔軟かつカスタマイズ可能なプラットホームです。
  • optiSLangと連携することで、感度解析、多目的・総合的最適化、ロバスト性評価、信頼性解析、ロバスト設計最適化などの高度なツールを利用することができます。

VirtualLab Fusion のワークフロー

optiSLangのインターフェイス

  • optiSLangは、使いやすいグラフィカルなユーザインターフェイスで、ロバスト設計最適化を実行するための幅広い機能を提供します。
  • バーチャル光学系の開発を革新し、加速させるために、幅広いパラメータ研究に対応できます。

VirtualLab Fusionのテクノロジー

文書情報

タイトル 所望の視野角にわたるライトガイド結合のためのバイナリ回折格子の最適化

文書コード

LGC.0003
バージョン 1.0

ツールボックス

VirtualLab Fusion Advanced
シミュレーションに使用したバージョン 7.4.0.49
カテゴリー Application Use Case
参考文献 Analysis of Slanted Gratings for Lightguide Coupling
Optimization of Lightguide Coupling Grating for Single Incidence Direction