TECHNICAL KNOWLEDGEBASE
【Grating Package】 【Diffractive Optics Package】 【はじめてのVirtuallab】
2023-01-30
回折型眼内レンズの設計と解析
現在、白内障の治療には多焦点眼内レンズの挿入が広く適用されています 。その利点の1 つとして、回折型眼内レンズは患者に、良好な遠近距離の視力 を提供します。このようなレンズは、通常、Zemax OpticStudio®のバイナリ2面などを使用して設計されています。ここでは、最初にZemax OpticStudio®で設計したものをVirtualLab Fusionに取り込み、実際のバイナリ構造を考慮した光学系をモデル化する方法を紹介します。回折レンズのパフォーマンスを、バイナリ構造の高さを変えることにより更に調査しました 。
回折レンズの設計タスク
各眼内レンズのそれぞれの設定には、特定の波面位相応答関数が必要です。
ここで、遠景シナリオの場合はm=0、近景シナリオの場合はm=1とします。
2つの構成に対して、どのように2つの異なった波面効果を持つ回 折レンズを設計、解析するべきでしょうか。
OpticStudioからの光学系のインポート
Zemax OpticSudio®では、光学設定の構成とバイナリ2面による 波面位相応答の設計が生成されました。 VirtualLab Fusionでは、複数の光学のセットアップを読み込み、 1つの光学セットアップ構成に統合することができます。
遠景:OpticStudioインポートの整合性
中心波長(555nm)のスポットダイアグラムの計算結果:
VirtualLab Fusionによる波面位相レスポンスを使用したPSF計算:
近景:OpticStudioインポートの整合性
中心波長(555nm)のスポットダイアグラムの計算結果:
VirtualLab Fusionによる波面位相レスポンスを使用したPSF計算:
構造設計:回折レンズの高さプロファイル
- 回折レンズの構造プロファイルは、 波面位相応答に応じて、 Thin Element Approximation(TEA)に基づいて計算されます。
高さを調節し回折効率を制御するため、 スケール因子βを用いました。
TEAにより1次光で非常に高い効率が得られます。
- 高さレベル 2 の量子化構造が選択されます。 理由は次の通りです。
-
- 製造に有利です(費用面、製造のしやすさ)。
- 高さを調節することで、特に0次と1次 の 回折効率をより制御しやすくなります。
-
構造設計:1.00 の高さ変調
構成設計:0.95の高さ変調
構成設計:0.90の高さ変調
構造設計:最適な倍率を探す
- 目標として、遠景と近景の両方について焦点の最高エネルギー密度をd同一にします。
- したがって、両シナリオの高さ倍率に関して、最大エネルギー密度が計算されます。
構成設計:0.605の最適高さ変調
近景から遠景領域までの焦点開発のイラスト
VirtualLab Fusion の設定
VirtualLab Fusion での流れ
- Zemax OpticStudio®からレンズ光学系をインポート
- 回折レンズの設定
-
- ChromaticAberration Correction[Use Case]
-
- パラメータランの構成
VirtualLab Fusionのテクノロジー
ドキュメント情報
タイトル | 回折型眼内レンズの設計と解析 |
ドキュメント番号 | DFL.0001 |
バージョン | 1.0 |
Toolbox | Starter Toolbox, Diffractive Optics Toolbox, Grating Toolbox |
使用したVirtualLab のバージョン | VirtualLab FusionSummer Release2019(7.6.0.116) |
カテゴリー | Application Use Case |
参考文献 |
Modeling of a Hybrid Eyepiece with Diffractive Lens Surface for Chromatic Aberration Correction |