TECHNICAL KNOWLEDGEBASE
【Basic Edition】
2023-06-16
焦点領域におけるフェムト秒パルス
光学系の説明 / モデリングされた光学系の説明
VirtualLab™におけるシミュレーション
- フェムト秒パルスの焦点領域への伝播
- サンプルファイ ル:
Tutorial_41.01_VLF1_fs-pulse_focal_region.lpd - 波長800 nmのモノクロマティック光源
- ユーザーによるパルス情報の設定
ハーモニックフィールド素子の設定
入射光源
- 偏光:X方向にリニアー
- ビーム径 (1/e²): 5 mm
- 波長: 800 nm
- パルスの仕様:
– キャリヤー波長: 800 nm
– パルス FWHM: 5 fs
レンズの仕様
レンズ・パラメーター
面 1
- 半径: 2.75 mm
- コニックコンスタント: -0.613916
- A4: 588919 A 8
- A6: -17660200000
- A8: 1.01025E+16
- A10: -3.91487E+21
面 2
- 半径: -3.18854 mm
- コニックコンスタント: -12.66386
- A4: 1245 8340
- A6: -3711945000000
- A8: 5.122391E+17
- A10: -3.108578E+22
中心厚: 3.15 mm
硝材: Corning C0550
光学系
LPD に関するコメント
- OISからスクリーンまでの伝播は”automatic”としており、ここではファーフィールドからウエストのオペレーターが用いられます
- “Automatic Operator”は下記の通り編集されます
- このモードの”automatic operator”は常にファーフィールド・オペレーターを用いますが、”Smart field”と”Smart preprocessing step”の最適化を行います
- 推奨:パルスのモデリングを開始する前に、モノクロマティックの設定をテストして下さい
パルスの仕様 包括波長と光源の挿入
パルスの仕様
- チュートリアル_33.01~33.01に紹介されたパルスの設定
- ファクター5 ~ 10 が”Time Window”の推測される増加量として初期値として良いでしょう
- 存在するのであれば、ターゲット面におけるパルス持続時間の結果を第一に活用します
- 次項目以降は、Time Windowファクターの適正値を、色々試しながら設定して行きます
重要事項
パルスのモデリングをする際は、演算精度を、必ず “Double Precision”に仕様設定する前に、しておいて下さい!
焦点領域におけるパルスのモデリング 焦点領域の任意の位置におけるパルスの評価
VirtualLab™におけるシミュレーション:例
- Run LPD
- Resulting Harmonic Field Set (HFS)
Field Evaluation Tools
- VirtualLab™ 4.5 以降のバージョンでは、タイムドメインのパルスの評価をField Evaluation Toolsにて行います
VirtualLab™におけるシミュレーション:例
注記:上図の結果が表示されない場合ダイアグラム上でダブルクリックし、表のズームを指定して下さい
- 次に、OPL analyzer を起動し、タイムシフトと位相剰余を素材のディスパージョンに加えます
- OPL analyzer をダイアログを開きイニシャライズします
Smart Material Inclusionの重要性
- この結果から、周波数ドメインのサンプリングが低すぎ、タイムドメインの結果にエイリアシング(偽信号)がある事が分かります。
- 主な理由は素材のディスパージョンです
- 次にこれを行います
VirtualLab™におけるシミュレーション:例
Smart Material Inclusionの重要性
- ここでパルス形状を考慮します。 しかし、全ての時間的変動が物理現象と言う確証はありません
- 素材のディスパージョンによるタイムウィンドウの増加が、最も支配的で角度ディスパージョンも増加の原因になり得ます
- 結果から、パルスは主に約300 fsのタイムウィンドウ内に、位置していると結論付けました
- これに従い、イニシャルのタイムウィンドウを約300 fsに増やしました
新たなパルスの仕様
イニシャル・タイムウィンドウと素材ディスパージョン
- 新たな仕様から、105 ハーモニック・フィールドと推測しこれにより、より計算に時間が掛かります
- イニシャル・ウィンドウの増加に伴い、オプションとしてファクターを4に減らしました:
Field Evaluation Tools
- VirtualLab™ 4.5 以降のバージョンでは、タイムドメインにおけるパルスを Field Evaluation Toolsにて解析します
包括波長
タイムドメインへの変換
- OPL Analyzer を起動します
– Time shift (新たなパルス仕様では変更されません)
– 素材ディスパージョンによる位相剰余 - 返還を行います:
焦点領域のパルス:Xコンポーネント
diagram tooによるズーム:マウスの左クリックにてズームしたいエリアを指定します
- パルスの右側はスムーズで、数値ノイズが無くなった事を示します
- これにより、左側のサイドローブ(エッヂ傾斜)に物理的な意味がある事を示します
- 勿論、イニシャル・タイムウィンドウを更に増加して結果に安定性があるかチェックします。 確認したところ、更なる変更による結果向上はありませんでした
- 次に、パルス評価のために他の事項を考慮します
更なる機能:Real Field Converter
VirtualLab におけるパルスのシミュレーションは包括機能をベースにしております。 Envelope(包括機能)をReal Field Converter にて周波数キャリアーを含むパルスとする事が可能です。
周波数キャリアーが高い場合、高いオーバーサンプリングをタイム・ドメインに用いる事を推奨します:
Envelope から Real Field Converter
キャリアーとパルス形状
更なる機能:Vectorial モデリング
- VirtualLab™ におけるパルスシミュレーションは、電磁フィールドをベースとしており、ベクトル理論に基づくパルスとして説明されます
- これにより、パルスフィールドのYとZコンポーネントへのアクセスが可能となります。選択は下記のダイアログにて可能です:
- 所望によりZコンポーネントの計算が可能です。多少の時間が掛かりますが是非トライして下さい(Zコンポーネント、ゼロにて(0,0)。
焦点領域におけるパルスのモデリング 焦点面における任意ラインのパルス解析
Line Evaluation Tool
Point Evaluation Line Evaluationに代わり、Line Evaluationを用いて焦点面におけるライン上の包括波長を得る事が可能です
ライン沿いの包括波長
タイムドメインへの変換
- インバート・フーリエ変換 (オーバーサンプリング・ファクターのみを低減し、演算時間を軽減します)
ラインの包括機能のXコンポーネント
ライン包括機能のXコンポーネント
左:ズーム機能 右:反転レインボー表示(property browser(F4)参照)
- 是非、異なるフィールド品質のオプションを選択し、お試し下さい:
- VirtualLab™におけるパルスのシミュレーションには、収差、回折、その他の波動光学現象が考慮されます
- •次に、シミュレーションにおける、ベクトル性を考慮します
Line Evaluation Tool: Zコンポーネント
タイムドメインへの変換
- フーリエ変換によるインバート
ライン上の包括機能のZコンポーネント
更なる開発テーマ
- VirtualLab™におけるパルスのモデリングは、ハーモニックフィールドを光学系にトレースする技術をベースとしております
- LightTrans社は、常時新たな技術と素子を追加しております
- グレーティングとプリズムは2010年に追加され、パルス圧縮と展開を可能としました
- VirtualLab™における超短パルスのモデリング機能の拡充に、是非ご協力下さい。ユーザー各位のご意見やご希望を常に受けつけております。
- VirtualLab™にご興味をいただきまして、ありがとうございます