TECHNICAL KNOWLEDGEBASE
【Basic Edition】 【Diffractive Optics Toolbox Gold/Silver】
2023-03-07
SLMをベースとしたビーム整形光学系におけるレンズ収差の検証
空間光変調器(SLM.0003 v1.2)
SLMをベースとしたビーム整形光学系におけるレンズ収差の検証
アプリケーション事例の要約
設定の詳細
- 光源
ガウシアンレーザービーム - 構成
反射型SLMとその後に続く2f光学系
多様なパフォーマンスや収差を備える様々なフーリエレンズ設計(球面、 非球面) - ディテクタ
視覚の模倣
トップハット、変換効率、SN比 - モデリング/設計
フィールド トレーシング:
フーリエレンズのパフォーマンスに応じたSLMビーム整形光学系の品質の評価
システム図
モデリングと設計の結果
現実的なフーリエレンズに関する結果:
対称球面/最適化された球面/非球面
まとめ
SLMをベースとしたビーム整形光学系の光学性能の検証は使用されているフーリエ光学に基づく。
- 2f光学系を使用した理想的な光学系はレンズ収差を伴う現実のレンズへ置き換えられる。
- 様々な球面と非球面のパフォーマンスによって発生するトップハット品質への影響を解析する。
ビーム整形アプリケーションは、非球面レンズのような高いパフォーマンスで低い収差を持つ光学系を必要とする。
アプリケーション事例の詳細 システムパラメータ
関連するアプリケーション例
SLM.0001
任意の光パターンを生成するSLMモジュールを動かすために要求される位相値の設計とシミュレーション
SLM.0002
SLMピクセル間のギャップの影響の実証
SLM.0003
光のパターンが作られる際 のレンズ収差の影響を調査
シミュレーションタスク
前回のシナリオでは、理想的なフーリエ光学系(2f 光学系)が活用されていた。本事例では、素子は様々な光学収差を持つ現実的なレンズに置き換えられる。
仕様:コリメートされたインプットレーザービーム
仕様:SLM透過関数
希望のトップハットビーム形状を生成する透過関数
(SLM.0001 で設計されたもの)
理想的なレンズから現実的なレンズへ
この理想的な 2f 光学系は現実的なフーリエレンズに置き換えられる。
その結果、使用されているレンズによって収差(例えば、球面収差)が生じる。
現実的なレンズを表現するには、いくつかのパラメータが必要になる。
現実的なレンズの有効焦点距離は2f光学系と同様なものが選択される。
表のパラメータは、以前使用した理想的な2f光学系の仕様を示している。
アプリケーション事例の詳細 シミュレーションと結果
VirtualLabでのSLMのシミュレーション
- 組み込みのコンポーネントにより、VirtualLabでは反射光学系(ミラー、 現実的なレンズ等)を簡単に構築することができる。
- 実際のレンズ(両凸球面レンズ等)はフーリエレンズとして使用される。
- 回転面は計算を最適化するために追加される。
file: SLM.0003_SLM_Imaging_01_Spherical.lpd
仕様:両凸球面レンズ
- 初めに、等しい曲率半径を持つシンプルな両凸球面レンズを使用する。
- 対称形状のため、前方焦点距離と後側焦点距離は同じである。
- パラメータは 532nm の波長に対して設定される。
- レンズは N-BK7 で作製されている。
- 有効焦点距離はVirtualLabのLens Calculatorにて計算される。
結果:両凸球面レンズ
- 結果のトップハットビームは、収差の発生により生じた干渉縞によって重ね合わされたものである。
- 低い変換効率(56.8%)とSN比。
- 対称両凸レンズは適切な変換パフォーマンスを提示しない。
file used: SLM.0003_SLM_Imaging_01_Spherical.lpd
最適化された球面レンズ
- 次に、最適化された球面レンズを使用する。
- 波面収差を最小限にするため、曲率半径は最適化される。
- 最適化はそれぞれの曲率半径を割り出し、その結果、非対称なレンズ形状をもたらす。
- レンズは再び N-BK7で構成される。
VirtualLabを使用したレンズ最適化についての詳しい情報は、BDS.0003を参照ください。
結果:最適化された球面レンズ
- 再び、球面収差の発生による干渉縞が生じる。
- 平凡な変換効率(68.6%)とSN比となる。
- 最適化された球面レンズも同様に適切な変換性能をもたない。
file used: SLM.0003_SLM_Imaging_02_Opt_Spherical.lpd
仕様:非球面レンズ
- 三番目に、Asphericon社の非球面レンズ(型番:A25-50LPX)がSLM系に統合される。
- 非球面レンズは同様にN-BK7で構成される。
- このレンズはVirtualLabのレンズカタログからインポートされている。
結果:非球面レンズ
- この結果では理想的なトップハット形状となる。
- さらに、素晴らしい変換効率(90.8%)と高いSN比となる。
- この非球面レンズはSLM関数をほとんど収差のないトップハットビームに変換する。
file used: SLM.0003_SLM_Imaging_03_Aspherical.lpd
まとめ
使用されるフーリエ光学によって異なる、SLMをベースとしたビーム整形光学系の光学性能を検証する。
- 2f光学系(フレネル積分)を使用した理想光学系は現実的なレンズに置き換えられる。 • 様々な球面および非球面レンズの光学性能によって生じるトップハット品質への影響を解析する。
ビーム整形アプリケーションは、非球面レンズのような高いパフォーマンスで低い収差を持つ光学系を必要とする。
参考文献
- Get Started Videos:
– Introduction to the Light Path Diagram
- Documents Correlated with ThisApplication Examples
– SLM.0001: Design of SLM Phase Modulation for Top Hat Generation
– SLM.0002: Simulation of Light Diffraction at Pixels of an SLM
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