TECHNICAL KNOWLEDGEBASE
【Basic Edition】
2023-03-10
アキシコンペアを用いたベッセルビーム生成による焦点スポットサイズと焦点深度の最適化
設定の詳細
- 光源
−非点収差IRレーザダイオード - 構成
−ビームコリメーション用の屈折レンズシステム
−ベッセルビームを生成するためのアキシコンペア
−集光するための非球面レンズ - ディテクタ
−スポットダイアグラム
−焦点領域の1Dおよび2Dでの検証
−焦点深度(DOF)
−ビームパラメータ - モデリング/設計
−光線追跡:初期焦点位置検出
−フィールドトレーシング:ベッセルビームの実際の形状と焦点深度の計算
システムの図解
モデリングと設計の結果
VirtualLabの追加機能
この例では、次の機能の利点を挙げる。
- 焦点領域解析:
―プロファイルラインディテクタ
―パラメータ実行ドキュメント
—HWxM ディテクタ - 以下のようなさまざまな有益な結果を得ることができる
—良質なビーム:ビームサイズ、ビーム形
—焦点深度
—焦点領域内の光軸に沿ったビームの伝播を示す多様な2D&3D図
まとめ
- この例では、どのように焦点スポットサイズを小さくすることができるかと、対のアキシコンレンズによって焦点深度を増加させることができるかを示した。
- 焦点領域内のベッセルビームの伝播を解析した。
- VirtualLabは、物理光学ベースのプロファイルを可能とし、アキシコンのような特殊な構成によって生成されたビームの焦点解析も可能にする。
関連するアプリケーション例
この応用例は、対のアキシコンレンズによる「非回折」ベッセルビームの生成を示し、焦点スポットサイズを縮小し、焦点深度を増加させる。
BDS.0002では、ビームを集光するために非球面レンズを使用した。この例では、非球面レンズの前にアキシコンレンズペアを含んでいる。
設計タスク
仕様:コリメートされていない入射レーザービーム
仕様:コリメーションレンズと背後のライト
仕様:アキシコンレンズペア
- アキシコンペアは、2つの同一アキシコンタイプのレンズで構成されている。
- 開き角度は通常、反時計回りとされている。
第2のアキシコンは、第1のアキシコンに平行に、光軸に沿って20.3672mmの相対距離で配置される。開き角度は+20°。
その結果、アキシコンペアは1.0の比を持つビーム拡張器のように機能する。
仕様:非球面フォーカスレンズ
- Asphericonの凸面非球面レンズはカタログから選択する
- モデル: ALL12-25-S-U
(A12-25LPX)
BDS.0002では、波長1064nmのレーザダイオードについて、22.576mmの後側焦点距離が決定された。
光線追跡:ビームフォーカスの解析
フィールドトレーシング:回折ゾーン内のフィールドの計算
- Geometric Field Tracing Plus(GFT+)エンジンによる光の伝播は、焦点領域外では正確である。
- 回折領域では幾何学的アプローチが有効ではないため、ビーム回折が顕著になる前にGFT+による伝播を停止しなければならない。この位置(フィールド再構成平面)において、フィールドデータは、より適切な伝播技術に適切に伝えられる。
- この平面の再構成フィールドは、クラシックフィールドトレーシングを使用していて、焦点領域(=回折ゾーン)の内部へ伝播するために使用できる。
フィールドトレーシング:再構成平面でのフィールドの計算
- 回折ゾーン内のフィールドを計算するために、非球面から18.5mmの距離にある幾何学ゾーンの終わり(=フィールド再構成平面)に、Geometric Field Tracing (1)のバーチャルスクリーンが使用される。
- アキシコンの連続的でない頂点に当たる光は、フィールドの再構築を数値的に乱すので、絞り(2)によってブロックすべきである。
フィールドトレーシングによる回折領域内の伝播
- 再構成されたフィールドは、クラシックフィールドトレーシングを用い、回折ゾーン内のフィールドを計算する際に使用できる。
- そのために、再構築されたフィールドをStored Field Componentに格納するための新しいLPDの生成が推奨される。
- 光学部品または検出器など様々な要素の追加が可能。ここでは、クラシックフィールドトレーシングにより、フィールドのより正確な評価が得られる。
- このLPDは、パラメータランのような最適化および自動化ツールに使用して、検出器までの距離を様々に変えることによってビームの焦点領域を検証することが可能。
XZ平面における焦点領域の検証
- 焦点領域の検証のため、前回のLPDを焦点面と再構成面との間の距離を3.8mmから4.3mm(22.3mmから22.8mmの非球面からの距離に対応する)に変化させる、パラメータランの実行に使用した。
- 両方の図は、(BDS.0004)およびアキシコンペアなしの(BDS.0002)焦点領域内のx軸に沿ったビームの2乗振幅を示す。
- 比較すると、アキシコンペアは、x-z平面内のビームの焦点をより小さくする。
YZ平面における焦点領域の検証
- 両図は、(BDS.0004)およびアキシコンペアなしの(BDS.0002)焦点領域内のy軸に沿ったビームの2乗振幅を示す。
- 比較すると、アキシコンペアは、y-z平面内のビームの焦点も小さくする。
焦点領域におけるビーム幅
- 焦点領域内のより詳細なビーム評価のために、アキシコンペアを入れる場合(BDS.0004)と入れない場合(BDS.0002)、およびガウスTEM00モードの場合の半値半幅(HWHM)を計算し比較参照する。結果は下図のとおり。
- アキシコンペアを使用することによって、焦点スポットサイズおよび焦点深度が測定可能なほどに改善されることが明確に分かる。
- 理論上ではアキシコンは理想的なベッセルビームを生成する。これらのビームは、焦点領域内のある距離までは「回折しない」という特性を有する[1]
- その結果、ベッセルビームは、焦点領域内の焦点深度がより大きく、同様のビームサイズのガウシアンビームのような発散は低減される。
- 比較する際、焦点深度は距離として定義され、ビームウエスト(HWHMとして定義される)は√2の係数で増える。
DOF =√2・HWHM
- 焦点深度の比較には、ガウスTEM00モードが参照として計算され、すべてのビームの総合的な焦点面において、そのビームウエストはベッセルビームのビームウエストに類似している。
- これと比較して、計算されたビームウエストと焦点深度は、以下のリストに示されている。
- アキシコンの入射光は収差があり、非点収差のガウスシアンビームであるため、生成されたビームは理想的なベッセルビームにはならない。
- 興味深いことに、焦点領域における非点収差的なビームのふるまいはアキシコンペアによって著しく改善される。これは特に、ビームのyプロファイルのパラメータに見られる。
- さらに、生成されたベッセルビームの焦点深度は、同様のビームウエストを有するガウシアンビームに比べて4倍に増加する。
レンズより22.576mmでの焦点スポット強度
VirtualLab追加機能
この例においては、次の機能の利点がある。
- 焦点領域解析:
—プロファイルラインディテクタ
—パラメータ実行ドキュメント
—HWxMディテクタ - 以下のようなさまざまな有益な結果を得ることができる
—良質なビーム:ビームサイズ、ビーム形
—焦点深度
—焦点領域内の光軸に沿ったビームの伝播を示す多様な2D&3D図
まとめ
- この例では、一対のアキシコンレンズによって焦点スポットサイズをどのように小さくすることができ、焦点深度を増加させることができるかを示した。
- 焦点領域内のベッセルビームの伝播を解析した。
- VirtualLabは、物理光学ベースのプロファイルと、アキシコンのような特殊なコンポーネントによって生成されたビームの焦点解析を可能にする。
レファレンス
- D. McGloin, K. Dholakia, “Bessel Beams: diffraction in a new light”, Contemporary Physics, Vol. 4615 – 28, 2005.
- Frank Wyrowski, Huiying Zhong, Site Zhang, Christian Hellmann,
„Approximate solution of Maxwell’s equations by geometrical optics“, Proc. SPIE 9630, Optical Systems Design 2015: Computational Optics, 963009,2015.
参考文献
Get Started動画
Introduction to the Light Path Diagram
Introduction to the Parameter Run
Introduction to Parametric Optimization
アプリケーション例に関連のある文献
BDS.0001: Collimation of Diode Laser Beam by Objective Lens
BDS.0002: Focus Investigation behind Aspherical Lens
UseCase.0047: Settings and Result Displays of the Ray Tracing Engine
UseCase.0065: Usage of the Parameter Run Document
UseCase.0083: High NA Lens System - Analysis by Geometric Field Tracing Plus